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連載企画最終回「個人として、チームとして」
2006年1月20日更新

日本体操界の加納監督
■今年度の体操部を振り返る連載企画の第三弾。最終回の今回は体操部の加納実監 督にお話を伺った。アテネオリンピック体操男子団体チームの総監督としても知られる加納監督の目 に、今年の体操部はどう映ったのか。

 「全日本選手権ですね」

 今年、一番印象に残った大会はと聞くと、加納監督は即答した。「やっぱり成績がよかったというのがあるから」という監督の言葉通り、11月の全日本選手権では団体総合で3大会ぶりに表彰台に上がった。「社会人が入っている中で3番に入って。インカレの屈辱を晴らしたような大会 だった」。

《インカレの屈辱》
 思えば今年度の体操部は、いささかスロースターターであった。 東日本インカレは数年定位置の2位。だが、優勝を掲げ挑んだ全日本インカレで は、ライバルの日大に抜かれ3位に終わった。

 「(演技の)ミスですね。やっぱりミスが出てしまえば成績は落ちますし」

 鉄棒などミスが目立ち、点数を稼がなくてはいけない場面でミスが出た。 個人総合や種目別で結果を残す選手がいても、団体総合では今一歩結果が出ない。 エースの星陽輔(スポ3)も、どこか精彩を欠いた演技が続いた。

 「環太平洋(4月)に行って、ある程度自信つけて帰ってきたんですけど。世界選手 権の二次予選、最終予選のNHK杯でギリギリのところで追い付かれてしまって。そ れからどころか、自分自身も自信をなくしたようになってしまって…」

終わってみれば、チームは優勝を逃すどころか、"団体"として大きな課題を課せ られた。
 しかし、ここから巻き返しが始まる。チームとしての一体感、練習への取り組み方。 それを変えていくきっかけを作ったのは、4年生の部員たちだった。

 「今年の4年生は非常に良くやってくれたと思いますね。これまでに見てきて、ちょっとないんじゃないかなと思うくらい。それというのも、選手としては小西(康仁・スポ4)が出てましたけど、他の4年生もずっと選手を狙ってやってきた人間なんですよ。今までだったりすると、スポーツ推薦で入ってきた選手、一般で入った選手がやっぱり分かれてきちゃうんですよね。4年生が今頃(全日本後)の時期になって練習に来なくなったり。それが、今年なんかはみんなが練習にちゃんと来て。体制が出来てる」

 ケガで実戦を離れてしまったキャプテンの佐藤竜(スポ4)や4年生を中心に、意識改革に努め、チーム全体が少しずつ変り始めた。それが、全日本選手権で団体総合3位という結果にも表れてきた。

《“練習の虫”への期待》
 来年度に期待は渡邊恭一と即答。

 「東日本でも、全日本インカレでも結局彼が個人総合で一番上に来てたん ですね」

 飛び抜けて目立つわけではないが、安定した演技が持ち味。 試合が終わり、気付けばいつも上位にいる。そんな存在だ。

 「彼のいいところは安定した演技が出来るところと、やっぱり練習熱心ですよね 。 練習、一方で試合がある。練習しなければ、いい試合ができないっていうのも当 たり前のことで」

 練習することで技は磨かれる。 それを表現できるのが試合なのだ。
 チームに期待することはという問いに、監督は「ガンガン練習することでしょ うね」と答えた。

 「練習時間が多ければ多いほどいい、ってわけじゃないんですけどね。やっぱり 、その中で自分が何をしなくちゃいけないのかを考えながらやってもらいたい。 目標を持つ、そのために何をしなければならないか。 それが考える体操になる」

 4年生の小西が「つなぐ年」と称したように、今シーズンは順大体操部にとって一 つのターニングポイントとなったようだ。
 常に優勝を狙うチームだからこそ、自ら考え行動する。 個人として。 順大体操部の一員として。
 二つの要素がうまく重なったその時こそ、団体優勝という光が見えてくるはずだ。 【大井慶子】

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